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2026年9月21日更新
院長先生が、長年、懸命に運営してこられた歯科医院。納得の価額での事業譲渡をご希望なさるのはごもっともなことです。そこで、事業譲渡の前に、価額引下げ要因を可能な限り小さくしておく方法をご紹介致します。お金をかけず、ご自分でできる歯科医院のブラッシュアップ方法です。
買い手先生が注目するのは、『今まさに通院してくださっている実患者数(直近のレセプト枚数)』です。
日々の忙しさの中、『定期検診の案内』が疎かになってはいないでしょうか。過去1~2年来院が途絶えている患者様に向けて『定期検診』のはがきやご案内を集中的に発送してみてください。
歯科医院の譲渡の予定時期から少なくとも半年ほど前から、『定期検診の案内』を行い、実患者数の推移が上向いてくれば、事業価額の交渉においてプラス要因になります。
事業収入や必要経費を正確に把握して作成されている確定申告書・決算書が、事業譲渡において歯科医院の信頼性を高めます。保険診療収入と自由診療収入の売上比率などをデータ化している資料があれば、さらに信頼性は増します。
インプラント、矯正歯科、審美歯科などの自由診療収入の総売上に占める割合や件数をデータで提示できるようにし、患者様と取り交わした自由診療に関する同意書や覚書なども、ファイリングしておきましょう。過去3年分がまとめられていると好印象です。
居抜き・承継開業のメリットの1つは、歯科ユニット・コンプレッサー・バキューム・レントゲンなどの医療設備を引き継ぎ、診療に使用できることです。医療設備を引き継いだ後、間も無く故障し使えなくなってしまっては、元も子もありません。
税法上の耐用年数を超えていても、大切に使用され、定期メンテナンスが滞りなく行われている履歴があれば、現役として利用できる資産価値を見積もることができます。各機器の取扱説明書・定期点検の報告書・部品交換や修理の報告書などを、ファイリングし提示できるようにしておきましょう。
現在勤務している歯科衛生士や助手の方々との雇用契約書や労働条件通知書などは整備されているでしょうか。口約束で雇用なさっている場合には、現在の給与・手当・勤務時間などを書面にまとめて、院長先生とスタッフの間で齟齬がないように確認しておくことをお薦めします。
院長先生とスタッフとが合意している労働条件を書面化し、給与台帳とともに提示することで、買い手先生は承継後の労働条件を検討することができます。
人手不足の昨今、スタッフの方々に引き続き勤務して頂けることも承継開業のメリットです。承継後も同様の労働条件が守られることで、スタッフが快く継続して勤務してくれる歯科医院であることは、事業譲渡において有利になります。
第一印象が重要であることは、何事も同じです。買い手先生が初めて内覧する際の印象が最も事業譲渡に影響すると言っても過言ではありません。『清潔』であるはずのクリニックが『不清潔』や『乱雑』の印象を与えてしまっては、上記のポイント1〜4がクリアできていても、事業譲渡の成立は難しくなるでしょう。
毎日忙しく勤務していると気付かなくなってしまっている各所の汚れは、徹底的に掃除しておきましょう。受付回りの不要な書類や備品の撤去、カルテ棚のホコリ、ユニット回りの汚れ、水回りの汚れの清掃、待合室の不要な雑誌の廃棄などをこまめに行い、清潔にしておきましょう。
個人歯科医院の譲渡を考え始めたら、先ず御確認頂きたいのが『COC条項』です。
現在、院長先生が締結なさっているテナント賃貸借契約書や医療機器のリース契約書に含まれている『COC条項=チェンジオブコントロール条項』を御確認ください。COC条項とは、賃貸借契約書やリース契約書などに記載される『契約の当事者が変わる場合には、事前に相手方の承諾を得なければならない』という条項のことです。
この条項を含む契約がありましたら、事業譲渡に際して特別な配慮が必要となりますので、予め御確認いただき、交渉の初期にお知らせになることをお薦めいたします。
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